ファイル.appの「最近使った項目」からファイルを削除する

あ、お久しぶりです。
無事コロナにかかることもなく医者やってます。

 

さて、今回はiOSの標準アプリ「ファイル.app(笑)」の極悪機能「最近使った項目」に勝利した件について報告。

 ※本稿ではファイル.appというリファレンスを参照したり、他人と情報共有する際に紛らわしいことこの上ない.app名を採用したAppleに敬意を表して「ファイル.app(笑)」と表記する。

 

・ファイル.app(笑)という存在

2017年に登場して以来、その名前も含めてAppleユーザーを混乱の渦に陥れた腐れファイル.app(笑)であるが5年が経過した現在ではそうした混乱はある種の諦めと共に収束している感がある。そんな状況にあぐらをかいてか、ファイル.app(笑)はこれまでに目立った進化を遂げておらず、登場以来の使い勝手の悪さをそのまま残している。

とはいえ、ファイルビューアーとしての機能はさすがにOS標準なだけあって他の.appと比べてシームレスだし、サムネイルを表示できるファイル形式も多彩だ。また、外部記憶装置を使用する場合にはどうしてもファイル.app(笑)に頼らざるをえず、切りたくても切れない悩ましい存在だ。

iOSのプライバシー感は世間離れしている

やれアプリのトラッキングをブロックだの、法執行機関からのアンロック要請を跳ね除けたりとやたらユーザーのプライバシーを強調するAppleだが、正直なところ我々エンドユーザーにとっては「勝手にやっといてくれ」という感じなのは否めない。そんな事よりもアプリやファイルに個別にロックをかけたり、あらゆる履歴を消せたり、ユーザー設定を切り替える事ができる、と言った事の方が庶民には大事なのだがいずれもiOSでは不完全な方法でしかできない。

・「最近使った項目」という名の悪魔

ファイルそのものをパスコードロック可能なアプリや外部記憶装置という「金庫」にしまい、ファイル.app(笑)からアクセスするという方法はやや使い勝手が微妙ながら可能となり、プライバシーの問題は一旦解決したかにみえた。

しかし、これまで見て見ぬふりをしてきた問題児がいる。それが「最近使った項目」である。この項目、ファイル.appに登録してあるソースであればiCloudからGoogleDriveまでありとあらゆるファイルのアクセス履歴を一覧「できる」機能である。

しかしこの機能、表示されている一覧を消せないという致命的な欠陥がある。表示を消すためには元のファイルを「削除」するしかなく、ファイルの場所を変えたり、名称を変えたり、コピーして一方を消したりしても消す事が出来ない。一旦外部ストレージなどに移して元データを削除しても、元の場所に戻すとまた追尾が始まるというストーカーも真っ青なプライバシー侵害をやってのける狂気の機能である。

しかもどれだけの期間、量の記録が残るのかよく分からず、少なくとも自分の場合は2017年に使った書類が未だに表示されている始末だ。もはや「最近使った項目」でもなんでもない。

これまでは苦々しい履歴書や思い入れはあるが2度と見返さないであろうレポートなどが延々表示されるだけだったのだが、ある時「金庫」として使っていたアプリ内のファイルをバックアップする過程で他人に見せたくないあれやこれやがガッツリ「記録」されてしまい、ついに見過ごす事が出来なくなった。

・追跡から逃れる方法

長くなったが、ここからが本題である。

上述の通り、「最近使った項目」に一度記録されてしまったファイルはその存在を削除する他に記録を消す方法はない。一旦別の場所に避難させ、ファイル名を変えて戻した程度では追跡をかわすことはできない。
某知恵袋系サイトで同様の悩みを持つユーザーに対してカテマス(略してカス)どもがよく持ち出す解決策は以下の通りだ。

・ファイル.app(笑)の左のメニューの「編集」でソースごと非表示にする
確かにこの方法を行えばiCloudGmailサードパーティアプリなどのディレクトリに存在するファイルは「一時的に非表示」になる。しかし、この方法では「最近使った項目」以外の全てのファイルが非表示となり使い勝手が悪い。また、ソースを表示させると「最近使った項目」も復活してしまい、根本的な解決にならない。

自分はこれまでこうした使い勝手を考慮して

・パスコードロック機能のあるマネージャーアプリ内にファイルを保管する

という方法をとってきた。こうしたディレクトリはなぜか「最近使った項目」の手が及ばないので重宝していた。が、しかしである。

最近重用しているお絵描きアプリはデータをローカルにしか保存出来ず、いちいちパスコードロック機能付きのファイルマネージャーとファイルのやり取りをしなければならないという面倒が生じてしまう欠点がある。

国内ではカスの様な情報しかないため海外フォーラムに頼ったところ、「ファイルをフォルダごと圧縮してしまう」という方法が紹介されており、確かにソースごと非表示にするよりは小回りが効きそうだが、やはりファイルを開くたびにアンジップしてまた圧縮して、というのはめんどくさすぎる。おまけにアンジップするとアンジップしたという記録が「最近使った項目」に残ってしまうのも気持ちが悪い。

・これで解決?

ではどうするのか。
結論としては、

・隠したいファイルをアプリで開いてローカルに新規保存して元のファイルを削除

・上記サードパーティファイルマネージャーにフォルダごとコピーを作成し、もとのフォルダに中身だけコピーし、両方保持を選択して元のファイルのみ消す

の2種類の方法に行き着いた。
上の方法は1個、2個のファイルを消したい場合には有効だが、数十個となると骨が折れる。

一方で下のやり方であれば、多少の労力は要るもののずっと簡単だ。
まず、ローカルにフォルダを作成して非表示にしたいファイルをそこに入れる。
続いてサードパーティのソースにフォルダをコピーする。この際にSpritViewにするとドラッグ&ドロップ出来て簡単だ。
次にコピーしたフォルダの「中身」のファイルを全て選択し、元のローカルフォルダに戻す様に再度ドラッグ&ドロップしてコピーを行う。すると元のローカルフォルダに同名のファイルが存在する事となり、「置き換え」か「両方を保持」の選択を促すアラートが表示される。ここで「両方を保持」を選択するとコピーしたファイルが「元のファイル名 2」と言った具合にリネームされ、この時点で「最近使った項目」からは除外される。
あとは「元のファイル名」だけを選択し「削除」するだけで良い。この選択・削除の作業が最も面倒な部分だが、一個飛ばしで一括選択していけばいいだけなのでストレスはさほどでもないだろう。

・まとめ

Appleはユーザーのプライバシー侵害をやめるべき