iPadでEthernetケーブルを便利に使う

発表されましたね、iPhoneSEとiPadPro(ちっこいの)。
iPhoneSEは買うでしょうね。というか買わないとヤバい。
未だにiPhone5 & iOS6というアナクロな組み合わせなのでそろそろ時代に追いつかねば。
ちなみにiOS6は非常に完成度が高く、iOS9が80%を占める今時にあってもストレスを感じる事は全くない。とはいえ、セキュリティの問題やハードの故障からそろそろ潮時だろう。


今回はそんな新商品たちに紛れてこっそり発表された「Lightning to USB 3 Camera Adapter」について。


Lightning to USB 3 Camera Adapter - Apple(日本)


iPadPro(ちいこいの)とともにサラッと発表されたこのアダプターは、従来のUSBポートに加えて給電の為にLightningポートが付いている。それだけならHDMIアダプターなどにも付いていたのでふーんという感じだが、商品説明に何やら不穏な事が書いてあるのだ。

"さらにUSB電源アダプタを使ってLightning - USB 3カメラアダプタを電源に接続すれば、ハブ、Ethernetアダプタ、オーディオ/MIDIインターフェイスや、コンパクトフラッシュ、SD、microSD用のカードリーダーといったUSB対応周辺機器をつなぐこともできるので、あなたのiPad Proの機能と能力が一段と広がります。"


え?Ethernetアダプタ?
つまり、iPadにLANケーブルを刺してインターネットができるというのだ。
今まではカメラアダプターに単純にEthernetアダプタを接続しても「消費電力が大きすぎる」と表示されネゴシエーションが止まってしまっていた。つまり、公式にはサポートされてこなかったのだ。
これは地味に凄いアイテムなんじゃないか?ということで早速注文してみた。



で、届いた。



早速接続。あっさりつながる。
電源としてはiUSBportをバッテリーモードにして使用した。
他にもコンセントに挿すタイプのUSBアダプターからも給電可能。
(ただし、デバイスに応じて給電量を自動的に調節する機能があるバッテリーでは正常に動作しない場合があった)


実は今までもiPadEthernetケーブルを使用する裏技は存在していた。
方法は、カメラアダプターとEthernetケーブルの間に外部給電式のUSBハブを介在させるというものだ。

これが、これまでの構成。
[Lightningカメラアダプター]→[USBケーブル]→[給電つきUSBハブ]→[Ethernetアダプター]というもので、ハブやハブ用のDCケーブルなどが嵩張るうえにiPad本体に給電できないという問題があった。



新たなUSB3カメラアダプターを用いた構成。
ハブや接続用のUSBケーブル、ハブへの給電用ケーブルが不要となり給電はiPad充電用のLightningケーブルがそのまま利用できる。そのうえ、iPad本体にも給電(充電)しながら使用できる。


さて、EthernetケーブルをiPadで利用するなんてそれこそアナクロな、、と思う向きもあるだろう。
自分もそう思うのだが、残念ながら私の大学では有線接続でなければ特定の試験を受けられないという事情からこうした製品はありがたいものだ。
とはいえ、こうした特殊な事情のためだけにアダプターを持ち歩くのもシャクなので他の利用法を考えてみた。


とりあえず思いついたのはELECOMの無線LANルータ、WRH-300CRBKを用いた裏技。
まず、WRH-300CRBKをWi-Fi子機モードにする。これはWi-Fi非対応機器をWi-Fi親機に接続できるようにするためのモードだが、このモードではWRH-300CRBKのEthernetポートから設定ページにアクセスできるようになる。WRH-300CRBKにはUSBメモリやSDカードを読み込むポートがあり、Wi-Fi子機モードではここに接続されたメモリーのデータをEthernetケーブル経由で吸い出すことができるのだ。

純正のカメラアダプターのみでは写真や動画しか読み込みできないが、この構成であればUSBメモリーやHD、SDカードから任意のデータを読み込むことができる。
データのやり取りに使うアプリはSMBプロトコルを利用できるものであればよく、自分はGoodReaderを使った。設定はデフォルトではアドレスに「192.168.2.251」、ユーザー&passはともに「admin」である(もちろん、変更推奨)。


こうしてWi-Fiを使わずに外部メモリーにアクセスできるようになった。Wi-Fiを利用したアダプターが発達してきた昨今、こうした接続方法の利用価値は「Wi-Fi経由よりはセキュアかも?」くらいしかないだろうが、、。


その他の用途としてはEthernetポート経由でしか設定ができない無線LANルーターの保守などだろうか。
ちなみにこうした特殊な用途向けに、そもそもカメラアダプターを介さずにEthernetケーブルを利用できるツールが存在している。


Lightning Ethernet Cable (L2-NET)


このケーブルは日本でも購入できるが、デベロッパ向けの製品でこれを刺したらすぐにネット接続できるわけではないらしい。